安価、高品質かつ迅速な収震(SRF)を全国に広げていきます。

五十嵐俊一

 SRF工法は、既に、2002年9月に設立したSRF研究会の会員企業により、設計、施工が行われています。2019年1月現在、設計部会約800社、施工部会約130社、木造設計・施工約500社を数えました。補強したRC系の柱は、19,500本に迫り、壁は1,300枚を越え、崩落防止は約3,100箇所になっています。

 SRF建設協会は、SRF研究会施工部会会員企業の中で、SRF工法を用いて安価、高品質、かつ迅速な地震対策工事の実現を目指す企業の集まりとして、2014年12月に結成されました。柱や壁に高延性材(SRF補強材、包帯)を巻きつけ、貼り付ける直接のSRF補強工事だけでなく、これに付帯する仮設、養生から仕上げまでをトータルに合理化、最適化し、標準化することを目指しています。また、耐震基準値をクリアする為のコンクリート工事、鉄骨工事、さらに、リニューアル工事も行い、建物や施設を新たに生まれ変わらせる工事全般を手掛けています。統一した制帽、見積書式、工事管理ツールを用いて、常に、品質確保、合理化に努めています。さらに、倒壊防止、使用継続性確保を目標とした耐震、免震・制震代わる新たな方法である収震改修の設計・施工も行っていおります。

 SRF建設協会には、現在、東京圏で 16社、大阪圏で 21社、福岡圏で 3社の合計40社が加盟し活動しています。今後、全国に協会員を増やしていく予定です。

 壁を増設し、鉄骨ブレースを入れて、耐震強度を確保する、あるいは、変形量を許容値以内に抑えるという現行の耐震、免震・制震、超高層等の設計方法は、現行の想定の範囲内で成り立つに過ぎません。仙台や熊本で観測された地震動は、現行の想定を数倍上回っており、新たな設計法、補強法でないと太刀打ちできないレベルです。

 2011年東日本大震災、2016年熊本地震で、新耐震や耐震補強済み建物・施設が被災し、長期間の使用中止や取り壊しを余儀なくされる中、SRF工法で補強した建物・施設は、全て揺れも少なく仕上げの被害もほとんどなく使用継続できています。収震(Seismic Restoration with Flexibility)は、高靭性接着剤で柱や壁の表面に高延性材を貼りつけることで、想定の10倍の変形を受けるとこれに比例して抵抗力を増す補強が実現します。SRF工法で、収震補強した柱や壁は、鉄筋・鉄板等の補強では実現できない強度と靭性(ねばり)を獲得し、活動期の厳しい地震動のエネルギーを収め、復元することができます。

 収震(SRF)により、新旧耐震、耐震補強済みかどうかに関らず、まだ使える全ての建物・施設の使用継続性を確保して次の震災に備えることがSRF建設協会の願いです。


五十嵐俊一